広島市東区の皮膚科,アレルギー科の水野皮ふ科です

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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎とは、いくつもの原因が複雑にかかわり引き起こされる病気です。遺伝的、体質的な素質を持った人に生じ、湿疹が長期間にわたり繰り返される、という特徴を持っています。

では、アトピー性皮膚炎の原因は何なのでしょう?

アトピー性皮膚炎の原因

原因は様々なものが考えられていますが、大きく遺伝因子と環境因子に分けられます。

遺伝因子

遺伝因子には、乾燥肌になりやすく皮膚のバリアー機能が弱っていることがまずあります。そのため、汗や外からの刺激を受けやすい皮膚になっています。さらに、外から侵入してきたものに対しアレルギー反応を起こしやすい、ということが知られています。

環境因子

環境因子には、ダニやハウスダスト、カビ、植物などアレルギーを起こすものや汗、外気の乾燥、掻きむしること、精神的ストレスなどが知られています。

これらの因子が複雑にからみあって発症、悪化すると考えられています。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎は長期間続く湿疹であり、根気強く治療を続けていく必要があります。治療の最終目標としては、症状がほとんど無いかわずかにある程度で、日常生活に支障をきたさない、症状があっても急激な悪化が無く、悪化しても長引かないようにすることになります。

治療としては炎症を抑える治療、悪化因子の除去、スキンケアの3つが柱になります。

炎症を抑える治療

皮膚に炎症があると、赤みが出たりかゆみが出現します。これを掻くことによってさらに炎症が激しくなりますので、炎症を抑える治療が必要です。炎症を抑えるためにはステロイド外用剤やタクロリムス軟膏を使用します。

ステロイドは非常に作用が強い反面、様々な副作用が知られています。しかし全身的な副作用が問題となるのは飲み薬として使用した時がほとんどです。外用剤で起こるものとしては皮膚が薄くなったり、血管が浮いてきたり、にきびができやすくなる、などの副作用があります。これらは症状の強さや部位、年齢などを考慮して外用剤を選択し、適宜変更していくことによって防ぐことは可能です。

外用剤だけではかゆみが収まらない場合は、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などの内服薬を併用します。

悪化因子の除去

アトピー性皮膚炎の悪化因子は、個々の患者さんや年齢などにより異なります。悪化因子を探る目的で血液検査などを行います。

一般的に乳幼児期には食物が関与している場合があり、それらの制限が必要となることがあります。しかし、多くの場合3歳ぐらいになると、食べても問題無くなってきます。

年長児から成人では、ハウスダストやダニなどの環境因子がかかわってきます。これらを減らすために掃除や部屋の換気を行い、悪化因子を減らすことが重要となります。

そのほかにも汗や石鹸、精神的ストレスなども関与することがあり、できる範囲で悪化因子を減らしたり除去することが大切です。

スキンケア

アトピー性皮膚炎の患者さんの場合乾燥肌がもともとあり、バリアー機能が低下していることよりスキンケアを行い、皮膚を健康な状態に保つことも重要となります。

スキンケアの基本としては、まず皮膚を清潔に保つために毎日入浴・シャワーを行うことがあります。石鹸で優しく洗い、十分洗い流します。汗をよくかく時期には入浴やシャワーの回数を増やします。

入浴後は皮膚の脂分も洗い流されており、乾燥しやすくなっています。そのため肌の水分が逃げないうちに保湿剤を外用します。

症状が軽い場合は、スキンケアを行うだけで良い状態を保つことも可能であり、スキンケアは重要です。

最後に

アトピー性皮膚炎は短期間で治る病気ではなく、症状をコントロールしながら気長に付き合っていくことが必要です。

一進一退を繰り返すことが多いのですが、治療を行い症状が落ち着いた状態を維持することで自然に治ることも期待できる病気ですので、治療を続けていくことが大切です。